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実践ほいくのコツ、実例集

【実例】乳児のお散歩車からの転落事故、どうすれば防げた?アフターフォローと現場の連携について

事故やケガはどんなに気をつけていても、ゼロにするのはむずかしいもの。

もちろん目配りや配慮で防げたり、ケガの程度を軽くすることはできますが、無くすることは本当に難しいです。

保育現場での事故は保育士の責任。起きてしまったっらその場でできる最善の対策をしましょう。

エリー

ここからは私が実際に現場で見た事故の例を紹介します

事故実例:お散歩車からの転落

これは、乳児クラスが園外へ散歩に出かける際の事故の話です。

園の玄関先でこのようなお散歩車に、園児を抱っこで一人ずつ載せている最中でした。

お散歩車は2台。子どもを抱き上げて玄関から、お散歩車に載せる保育士(以降Aさん)が一人。

お散歩車にはそれぞれ保育士2人(BとC)がつき、動き出さないようにフットブレーキを踏んでいました。

BとCはお散歩車を固定しながら、すでに乗っている子ども達の見守りをしている状況です。

この3人の保育士の目があったにも関わらず、事故が起きてしまいました。

身体の大きい女児が手すりを乗り越えて顔から地面に落下

ひとりの女の子が、アスファルトの地面に顔面から落ちてしまいました。

お散歩車の手すりに足をかけていたことに、誰も気付かず、すぐそばの保育士も手も出せませんでした。

落ちた女の子は、おでこにぼっこり真紫の打撲、頬には擦り傷という痛々しい姿。

主任が病院へ連れていき、園の保険で治療することになりました。

この時女の子が乗っていたお散歩車についていたBさんは、アッと声を上げたものの手が出ず…。

落ちた直後はショックで声も出せない様子でした。

落ちた女の子がしばらくして泣き出し、それで他の保育士が異変に気がつきました。

乗せる役割だったAさんがこのクラスの主担任だったため、女の子を屋内へ連れて行き園長へ報告・保護者へ連絡する形に。

おでこをアイスノンで冷やしたり、氷枕に寝かせたりという手当はAさんがそのまま行いました。

その間、すでにお散歩車に乗せられていた子ども達は、待機状態。

Bさんはどうしようどうしようと涙ぐみ、屋内へ運ばれていく女の子とAさんに付いていこうとしたり、ウロウロ。

その間Cさんは、2台のお散歩車の間に立ってフットブレーキを踏んでいました。

そして子どもに声をかけ見守りながら、指示があるまで待機を続けました。

Cさん一人では、子どもを下ろして屋内に戻すことも、お散歩に出かける予定を敢行することもできないからです。

この状況の一番の問題は、役割分担の崩壊

お散歩車の中の子どもの見守りと、フットブレーキを踏んで安全を確保する役割のBさんは、ショックでうろたえて自分の役割を見失ってしまいました。

代わりにCさんが2台のお散歩車の子供の見守りと安全確保を一人ですることになりました。

ただ、元々子どもの人数のバランスを考えて保育士の人数は割り振られているもの。

一気に倍の人数を安全確保をするのはとても難しいことです。

この時は、大人がバタバタする不穏な空気を感じ取った数名の子供が、お散歩車の中で騒ぎだしてトラブルになりました。

具体的には押し合い、ひっかき未遂、そして噛みつき事故です。

Bさんの行動の足りない部分に気付く

目の前で子供が酷いけがをして、ショックを受ける気持ちはわかります。

しかもそれが「自分が見ていなくてはならなかった子」ならなおさら。

でも保育士として、この時のBさんに一番足りなかったことがありますよね?

それは、『怪我をした女児以外の子どもをしっかり見守り、動揺が子どもに伝わらないようにすること』

他の子の見守りをおろそかにしてしまってはいけません。

今回のように大きなケガをした子を目の当たりにし、さらに自分が見守りを担当していた子の事故でショックを受けたとしてもです。

こういう場合こそ、声をかけ合い連携する意識を持つのが本当に大事。

全体の状況を見て、とっさに判断ができるように、常日頃から密なコミュニケーションと連携を意識してみてくださいね。