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実践ほいくのコツ、実例集

ADHD児や自閉症児に付けられる加配(かはい)保育とは?資格は必要?

皆さんは、加配(かはい)という言葉を聞いたことがありますか?
保育の現場には、色々な子がいます。そう聞いて
「内気な子、元気な子、手先が器用なことそうでない子・・・」と考えるかなと、思います。
実際には、もっともっと色々な子がいます。
生まれつきの発達障害などで、他児と同じように保育園の生活を送ることが難しい子に、必要な配慮を加え、生活を支えること。
これを、加配(かはい)といいます。
そして、それを行う保育士を加配保育士といいます。

加配(かはい)はどんな子に対して行われるの?

例えば知的に遅れがあり、同じ3歳6ヶ月でも、他の子より理解度が低く、クラスの生活の流れについていけない、などです。
実際に現場で見たことがあるケースとしては

・自閉症と医師の診断を受け、療育手帳を持っている子

・ADHD(注意欠陥多動性障害)と診断を受け、療育手帳を持っている子

・療育手帳は持っていないし保護者は認めたがらないが、明らかに他児より情緒面が不安定で、集団生活が難しい、他害が多く目が離せない子

などです。
挙げた例の上2つは、保護者も加配を受けることを希望していて、保育園も加配保育士を該当する子どもにつけているのですが、
最後の例は、保護者が子どもの発達度合いを認識したがらず(障がいと認めたくない)病院に診断を受けにすら行っていない事が多いです。
ですが、実際に保育園では、他児への他害(他の子を怪我させること)が頻発していたり、集団生活に全くついていけなかったりして、保育園側の判断で、苦肉の策で人員を配する必要があり、加配を行っていたケースです。
本来加配は、医師の診断で障がいがあると認められ、療育手帳を持っている子が対象なのですが、現場レベルの話になると、もっとグレーな子が多いんです。
目が離せない子が多く保育園の判断で、加配をしている場合もあります。

補助保育士と加配保育士の違いとは?

一見すると、同じクラスの中に「担任の保育士と、補助の保育士」がいるように見えます。
補助の保育士は、担任の補助をします。
例えば、担任が子ども達の給食の配膳をしている間に、次の生活の流れの準備・・・布団敷きなどをやったりして、スムーズに
次の流れに担任が進んでいけるように補助をします。
その他にも、担任と一緒に子どもの着替えを見守ったり時には手伝ったり、文字通り、補助です。
加配保育士は、特定の「目を離せない子」にべったりとついて介助をします。
もし、子どもの作業の内容によってはスムーズに対象児が一人でやっていたとします。
補助保育士であれば、そういった時その間に他の子へも視線を向け、あちこちで手伝ってまわったりするのですが、加配保育士は基本的に対象児にあてがわれている人員なので、極力その子のことだけに注力するのです。
もし保育の現場で、「この子に加配お願いします」と言われたら、しっかりとその子の介助に専念してください。
うっかり目を離したすきにその子が他児を引っ掻いていたりしては、加配をしている意味が無くなってしまいます。

他害を防ぐだけでない、大事な心のよりどころ

本来ならば、クラスの心のよりどころは担任です。
しかし、加配を必要とする子は、なかなかその生活の流れについていけず、ワンテンポもツーテンポも遅れてしまいます。
理解度も高くない子もいますので、同じ年頃の他の子には理解できる説明やお話が、わからない時もあります。
「避難訓練のベルだよ、訓練っていうのは練習だよ」と言われても、意味が伝わらずパニックになり部屋を飛び出してしまったりなどです。
根気よく子どもに説明し、何度も話し、何度も同じ質問に答えてあげるのは、全員を見ている担任には難しいことです。

そういう時に、しっかりと傍について関わり、その子どもにとって頼れる心のよりどころになるのが加配保育士です。

加配保育士は特別な資格が必要なの?

保育士の資格だけで加配保育士はできます。
しかし、障がいの知識や、様々なケース検討を知らないと、ぶっつけ本番で加配が必要な子どもの介助をすることは難しいでしょう。
おそらく、働いていく中で、研修会で実例検討を重ねたり、様々な障がいの特徴を知り、徐々に加配の技術を身につけていくと
思います。
もし余裕があれば、児童心理カウンセラーなどの資格勉強をしてみると、現場で活きる加配技術がすんなりと習得できるでしょう。
保育士にプラスして、付加価値がある人材は貴重です。
もし加配保育士として働く機会があったら、そして加配保育士でなくてもそういった子に接する機会というのは必ずあります。
児童心理学などの本を一読しておくだけでも、子どもに対しての自分のアプローチに自信が持てるようになりますよ。