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実践ほいくのコツ、実例集

怒られてもニコニコするADHDの子ども達。どう伝えればいい?

ADHDの子ども

砂場で遊んでいて、そばにいた子にいきなりスコップで砂を浴びせちゃう。

その瞬間、また違う子にキックして、ジャングルジムへ向かって猛ダッシュ…

『わんぱく』といえばそれまでかもしれませんが、実は発達障害が隠れているのかも。

この記事では、注意をしてもあまり響きにくいADHD(注意欠陥性多動障がい)児へのアプローチについて、一例を紹介します!

認可保育園では、入園児の調整点数で『療育手帳を持っている子ども』は指数が高くなります。

ただのわんぱくではなく、実はADHD(注意欠陥多動性障害)ということもあるんです。

ADHD児への注意の仕方はむずかしい

ADHD(注意欠陥・多動障がい)の子どもは、

  • 怒られてもニコニコ
  • 何度もくり返す
  • 「のれんに腕押し」状態

多いです。

小学校生活を送る子供たち

いつかは小学校や社会など、もっと規律性の高い集団生活をしていく子ども達。

小学校にあがる前には、少しでも善悪や、周りの状況が見えるようになってもらうのが目標。

日々保育士は子どもと接して、ときに褒め、ときに叱ります。

ただどうしてもADHD児には、注意がうまく伝わらず「怒られた!」と実感してもらえないことが多く、保育士の悩みの種にもなりがちでした。

効果的にこちらの気持ちを伝える工夫の例

・「ちょっかい行動」というものを理解する

「ねぇねぇ」と肩を叩いて、相手の注意をこちらに向けたとします。

普通なら「遊ぼうよ」「ちょっと聞きたいんだけど」なんてやりとりがありますよね。

ADHDの子は、この最初の「ねぇねぇ」だけしちゃうことがあります。これが「ちょっかい行動」です。

理由のない呼びかけやちょっかいを何度もされると、とまどうし、イライラすることもありますよね。

ちょっかい自体は、他の子どもとの関わりに不可欠なもの。

発達の中で自然に発生するし、健常児もやる行動です。

人と関わりたいという社会的欲求(本能)行動なのでなかなか防ぐことができません。

ADHDの子は、相手が応じてくれるまでしつこく何度も繰り返してしまいます。

でも相手が応じてくれた時には、別のことに興味が移っていることもあります。

された相手は、イヤで怒ったり泣いたりしてしまう事があります。

『お友達にいやがられちゃった』体験をつんだり、保育士からの言葉がけで根気よく気付けるような声掛けをするのが大切ですね。

「なんにもないのにずっとやるとしつこいよ、嫌で○○ちゃんが泣いちゃったよ』

子どもに失敗の経験を積ませることが必要です。

言わないと、気付けない事も多いんです。

とてもとても根気が必要です。

理解しやすい短い言葉で、何度も何度も繰り返し伝えてください。

・やってしまったことを責め立てない

おもちゃを投げて壁にぶつける、それを何度も繰り返す・・・ADHD児は、それを怒られたとき、何故いけないのかが理解しにくいです。

怒られたとき、自分じゃないよと否定することもあります。

勢いのままの行為なので、理由が自分にもわからず、うまく答えられないのです。

そういうときは、犯人探しをするような糾弾するような叱り方はしないでください。

もし、認めないのであれば、それはそれで話を進めて、子ども自身にじっくり考えさせることが必要です。

  • 「おもちゃが壁に何度もぶつかったらどうなるかな?」
  • 「大きい音が出て、周りのお友達がびっくりするよ?○○くんはびっくりしない?」
  • 「小さいお友達は、びっくりして泣いちゃうかもしれないよ?」
  • 「おもちゃ、壊れたらもうそれで遊べなくなるよ?壊れて遊べなくなっていいかな?」
  • 「みんなが使いたいおもちゃだよ、壊れたらみんなも遊べなくて悲しいな。」

かんたんな言葉をえらび、何度も問いかけをしていきます。

そうしてあげると、一度にいろんな言葉で一気に叱られた時よりも、落ち着いて聞きやすくなるんですね。

  • おもちゃ、投げちゃいけなかった
  • 壊れて遊べなくなるのは嫌だ
  • 小さい赤ちゃんを泣かすのはいけないこと

など、自分なりに少しずつ、答えを見つけられるように。

また、叱るときは叱る時用の表情と声の調子で叱ることがいちばん大事。

普段と変わらない様子だと、「今叱られているのかわからない」という状況になります。

状況の理解がむずかしいADHD児にとってはなおさらわかりにくいですよね。

何がベストかは、子どもによりけりですが、グッド・ベターは必ずあるもの。

子どもの数・日々のトラブルの数だけ、保育士さんはいろいろ試し、模索していってほしいと思います。